感想喫茶店

ゲームレビュー

フラテルニテ

総合得点 82点
 
①グラフィック 18点

リアリティを追求したのか背景は実写の加工。これだけで現実感が高まり面白い工夫だと思える。
キャラクター立ち絵もデザインではなく配色に暗さを施し独特の世界観を出している。
エロCGはもう精液・血液・排泄物のオンパレード。好みの分かれるところだが、アイデアだけは評価したい。

 
②シナリオ 19点

今まで色々な作品をプレイしてきたが、ここまで人間に対して非情になれる作品をしたことがないかもしれない。正直、私にとってeuphoniaがかわいく見えるレベルでイカれている。

薬を用いて洗脳から開花させ、死に至らしめる救い。

特に、円夏・紗英子・心音のラストシーンは悲惨すぎて乾いた笑いが出た。

衝撃的で悲劇的な感慨を抱かせるところを評価するなら高得点にするしかない。

ただ、個人的にサブキャラクター達に「何故そこまでできる?(過剰すぎるいじめの末路)」「その後どうなった?(フェードアウトした千喜と園田)」という我儘ではあるが消化不良な部分が残ったので、そこを補完してほしかった。

 
③システム 20点
全くストレスなくプレイできた。
グロやスカが多彩に含まれているゲームなので、苦手な人のために表現を緩和できる選択が組まれているのは評価できる。
その悲惨な表現がこのゲームの醍醐味だろと思ってしまうとこもあるが。
 
サウンド 15点

BGMとしては及第点。

ただ、「仰げば尊し」を今後まともに聴けなくなる恐れがある。

 
⑤エロ 10点

この作品は実際のところ、スナッフ系抜きゲだと思っている。

使える人にはどうぞとしか言いようがない。

私にはエロシーンは作品の中の演出の一つであり、実用性の面で見ることができなかった。

ただ、このストーリーを作るうえでエログロは絶対に欠かせない表現方法であるのは間違いない。
 
総評

好みは分かれるが、エロゲ史上稀に見る快作であることに異論はない。

常識的な目線では理解できない「救い」がこの作品にはあると思う。

だが私としては薬を使っている時点で、それは「救い」ではなく「逃避」だろ、思ってしまうあたり、この作品を完全には楽しんでいないのかもしれない。

 

euphoria

総合得点 77点
 
①グラフィック 15点

はましま薫夫先生がグロ・スカ描写の非情な表現を魅力的に創出している。
ただ、評判よりはライトに抑えていると感じた。
背景はストーリーが特質的なため、極めてシンプルな舞台を上手く描けていると思う。

 
②シナリオ 18点
ストーリーはミスリードのオンパレードで考察を重ねつつ読み入ってしまう。
正直、次の展開が気になりエロシーンを早めに飛ばしてしまうレベルで話の作り方が上手い。
話のくどさもなく、テンポの良さにライター陣の筆力の高さを感じる。

エログロがあるからこそ書ける面白いストーリー、こういうのがあるからエロゲはやめられない。

 
③システム 19点
ADVとしてほぼ全て必要な設定変化が備えられており、全くストレスがない。
雰囲気を壊す演出もなくプレイに没頭できる。
 
サウンド 15点

突出しているサウンドはないものの、世界観を壊すような曲もなく、作品に集中できる。及第点といったところ。

 
⑤エロ 10点

グロとスカは抜けない……。

抜きゲーなのか読みゲーなのかよくわからないが、話の展開的にエロは必要な作品なので、点数が付け辛い。

ただ、凌辱エロシーンの極限的な状況でヒロインのボキャブラリ溢れるセリフはギャグに思えてしまう。まあ、ここは人の好みによるが。

 
 
総評

エロを意識してしまうと、どうして総合点が低くなってしまうが、読みゲーとしてのストーリー展開は見事と言える。
ヒロインを徹底的に痛めつける描写に私の股間が反応すれば超名作と呼べたと思う。

ただ、面白い作品なのは間違いないので、是非グロ・スカに耐性があればオススメしたい作品だ。

 

 

みにくいモジカの子

総合得点 79点
 
①グラフィック 20点

視点が限られた状況ではあるが、背景やキャラデザのクオリティが高い。
今までプレイしたゲームで中では最高峰だと思える。
演出的にも工夫が素晴らしく全く飽きがこない。
この記事を書いている時点では文句のつけようがない。

 
②シナリオ 10点
グラフィックや演出が素晴らしいだけに非常に勿体ない出来。
前半のどうしようもない鬱な世界観には没入できたが、話を読み進めると違和感が生まれてくる。
その時点では何かの伏線と思いプレイし続けていたが、最終的に回収されない所が多く、もやもやした感覚が残る。
あと好みの問題ではあるが、伝奇ものにする必要あったのかな……。
 
③システム 20点
こちらにも雰囲気を壊さない演出が施されいて、全くストレスがない。
ADVとして変わった表現方法をする作品だが、十分にプレイヤーに対して対応ができていると思う。
 
サウンド 19点

鬱展開とミステリー要素の強い作品にマッチしている。
シューゲイザー好きにはたまらないサウンドだと思える。
プレイ後にMy Bloody Valentineの曲が聴きたくなってくる。

 
⑤エロ 10点

シーンの量は多いがストーリーのためのエロ。悪い意味ではなく抜く気になれない。
それはエロがいらないという意味ではなく、話の流れでは絶対に必要であり18禁ゲームでしか表現できない作風のため評価し辛い。
単純に抜きゲはないというとかも。

 
 
総評

上にも書いたが、本当に勿体ない作品。
もう少しストーリーを上手く纏められなかったのかと惜しく感じる。
だが、演出的にはADV作品として革新的な作品であり、まだまだこのジャンルの可能性を広げてくれたゲームだと思える。

 

 

アマカノ2

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総合得点 88点
 
①グラフィック 18点
毎度のことだがピロ水先生のキャラクターデザインが素晴らしい。
今作はリアルな等身で自分の好みに近い形になっているのもポイント高い。
少々胸が大きすぎる気もするが、そこは逆に二次元の利点と考えてもいい。
背景に関してもクオリティが高く、綺麗な街並みに惚れ惚れする。
紅葉や山道のシーンだけ塗りが違うみたいだが、ストレスを感じるものではない。
SDキャラも作品の雰囲気を壊さず作中で良い刺激を与えている。
 
②シナリオ 15点
基本的には甘々でベタベタなストーリー。
人によっては退屈かもしれないが、甘い缶コーヒーに砂糖を大量に混ぜるぐらいの徹底したものがある。タイトルそのまま嘘偽りなし。
テキストは全くストレスがなく、たまに綺麗な比喩表現に感嘆する。
ゲーム性に関してはこのシリーズ作同様キャラクターを選択し続ければ恋に落ちるという簡単なものだが、読んで見て楽しむゲームなので想定内。
 
③システム 20点
文句なし。個人的にアドベンチャーゲームをするにあたって欲しい機能は全て整っている。
フォント変更が効くのもポイント高い。
 
サウンド 18点
Ducaさんの曲が作品にマッチしている。
BGMも作風に違和感を覚えるものがなく、内容に没頭できるものになっている。
 
⑤エロ 17点
付き合った後、お互いが性に意識し始めてからの濃密度が凄い。
恋人同士が行為に夢中になっている点が好ましい。
回数もそこそこ多く、シチュエーションも甘々な作風を考えれば種類も多い方だと思われる。
シリーズの特徴でもあると思うが、最後のHシーンは気が触れるぐらい回数をこなすのもプレイするものとして楽しみがある。
個人的には最初から数回の性行為は避妊を考慮してコンドームをつけてくれた方が滾るのだが(数回の行為を経て気持ちが昂るにしたがって妊娠を求めていく過程が好き)
過去作からの流れでそこは期待していない。
 
 
総評
エロゲをクリアした後に満足感というものは大概あるが、この作品ほどプレイが終わってしまう喪失感を覚える作品も珍しい。そういう意味でずっと浸っていたいと思わせる作品だ。
次回作が待ち遠しい。
 

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採点要領

(採点方法)

グラフィック、シナリオ、システム、サウンド、エロ を各々20点とし合計100点で採点します。


①グラフィック
キャラクターデザイン、背景、塗り、など。

②シナリオ
ストーリー、選択肢、ゲーム性、テキスト、など。

③システム
コンフィグ、など。

サウンド
音楽、環境音、など。

⑤エロ
回数、量感、内容、など。