フラテルニテ
リアリティを追求したのか背景は実写の加工。これだけで現実感が高まり面白い工夫だと思える。
キャラクター立ち絵もデザインではなく配色に暗さを施し独特の世界観を出している。
エロCGはもう精液・血液・排泄物のオンパレード。好みの分かれるところだが、アイデアだけは評価したい。
今まで色々な作品をプレイしてきたが、ここまで人間に対して非情になれる作品をしたことがないかもしれない。正直、私にとってeuphoniaがかわいく見えるレベルでイカれている。
薬を用いて洗脳から開花させ、死に至らしめる救い。
特に、円夏・紗英子・心音のラストシーンは悲惨すぎて乾いた笑いが出た。
衝撃的で悲劇的な感慨を抱かせるところを評価するなら高得点にするしかない。
ただ、個人的にサブキャラクター達に「何故そこまでできる?(過剰すぎるいじめの末路)」「その後どうなった?(フェードアウトした千喜と園田)」という我儘ではあるが消化不良な部分が残ったので、そこを補完してほしかった。
BGMとしては及第点。
ただ、「仰げば尊し」を今後まともに聴けなくなる恐れがある。
この作品は実際のところ、スナッフ系抜きゲだと思っている。
使える人にはどうぞとしか言いようがない。
私にはエロシーンは作品の中の演出の一つであり、実用性の面で見ることができなかった。
好みは分かれるが、エロゲ史上稀に見る快作であることに異論はない。
常識的な目線では理解できない「救い」がこの作品にはあると思う。
だが私としては薬を使っている時点で、それは「救い」ではなく「逃避」だろ、思ってしまうあたり、この作品を完全には楽しんでいないのかもしれない。